入れ歯は、認知症の予防と治療に最適

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歯を抜いてそのままにしていると、噛む事ができないので、脳血流が滞り、脳に刺激が上手く伝達できず、認知症の原因であるアミロイドβタンパクが大脳皮質に沈着しやすく海馬(脳で記憶を司る場所)の細胞が減少するので認知症になりやすくなります。

質問です

入れ歯で認知症予防や治療効果ってあるんですか?

答えは、

yes です!

脳と入れ歯とは一見、全く関連性が無いように思いますが、実は、切っても切れない、重要な関連性があるのです。

入れ歯と認知症のお話しの前に、認知症についての基本的知識についてお話しします。

認知症とは、どんな病気

脳は、人間が生きていく上でとても大切な司令部です。

その脳が上手く機能しなくなったら、大変な事になります。

脳が正常に営めなくなると、身も心もボロボロになってしまいます。

その重要な司令部が上手く機能しなくなったのが、認知症です。

認知症は、何らかの原因で脳の細胞が死滅したり、正常に働かなくなって、日常生活に支障をきたしてしまう病気です。

認知症の種類

一言で認知症と言っても、認知症には種類があります。

①アルツハイマー型認知症

老人斑や神経原繊維変化が、大脳辺縁系(古い記憶を司る)から海馬(新しい記憶を司る)を中心に脳の広範囲に出現し、脳の神経細胞がアミロイドβタンパクにより死滅し、脳の萎縮がみられ、記憶障害を起こします。

海馬は、新しい記憶形成と深く関わっていて、さまざまな情報は、先ず海馬に送られ、短期記憶として保存された後、大脳に送られて長期記憶として脳に定着するので、この部位に萎縮がおこると記憶障害が出現します。

②脳血管型認知症

脳血液循環が悪くなり、脳梗塞、脳出血が生じ、脳の一部が壊死します。脳が壊死した部分が画像により確認することができます。

③レビー小体型認知症

αシニクレンというタンパクが脳の神経細胞を破壊し、レビー小体(異常タンパク)という変性細胞を作ります。はっきりとした脳の萎縮はあまりみられません。

④前頭側頭型認知症

前頭葉と側頭葉が萎縮してしまいます。

前頭前野は、あらゆる情報を統合し、判断力、集中力、コミュニケーション力など、社会生活を営む上で不可欠な働きを担っています。その前頭葉、側頭葉が萎縮すると情報処理能力に異常をきたします。

⑤その他

認知症の原因

認知症の原因は、認知症の種類により異なります。

その多くは、アルツハイマー型認知症にみられるアミロイドβというタンパク質やレビー小体型認知症にみられるレビー小体(異常タンパク)という変性細胞 が作られ、脳に溜まり正常な脳神経細胞が死滅して、脳萎縮を起しさまざまな障害を生じます。

また、認知症の一つの特徴として、認知症の原因となるそれぞれの部位で、脳血流量が減少することがわかっています。

入れ歯と認知症との関係

⑴ものを噛むという行為は、脳細胞を活性化させる

歯と口腔周囲筋の働きは、ただ食事をするだけではありません。

噛む為に使う筋肉は、第三の心臓とも言われている事はご存知ですか!

第一は、心臓、第二は、ふくらはぎ、ここまでは知っている方も多いかもしれませんが、まさか口の筋肉が第三の心臓なんて思っていない人も多いと思います。

実は、噛む事で脳の血流量が増加する事が分かっています。

脳の血流量が多くなると脳の神経活動が活発になり脳の前頭前野と海馬の活動が活性化します。

一定時間ガムを噛むことも同様に脳の活性化には有効です。

この事は高齢者ほど著名になります。

⑵噛み合わせのズレと脳血流量

平成28年に私(石川佳和)が論文発表した「姿勢が下顎位に及ぼす影響」という論文があります。

悪い姿勢が噛み合わせに影響を及ぼして、噛み合わせにズレを生じさせ、その影響で第二頚椎にある歯突起(しとっき)の位置を歪めます。その結果、第二頚椎の位置がずれ生じて、椎骨動脈を圧迫し、血流が滞り脳へ流れる血流量が減少する事で、認知症リスクを増大させます。

また、岡山大学の動物(ラット)を使った研究でも、私の研究と同じような結果の論文があります。

噛み合わせの良いラットは、アルツハイマー型認知症の原因物質のアミロイドβが海馬に溜まる事が無かったのに対し、噛み合わせの悪いラットでは、海馬にアミロイドβが溜まる事が観察されました。

噛み合わせの調整をする事で、アミロイドβが減少し、正常に戻る事が確認されました。

⑶簡易型脳波計を使用した義歯の機能評価

「簡易型脳波計を使用した義歯の機能評価」という平成22年に発表した私(石川佳和)の論文で、入れ歯の噛み合わせの調整の良いものと悪いものとを、前頭葉からの脳波を測定し、α波の持続時間を測定したものがあります。

結果、3分間の測定中、噛み合わせの調整が良い入れ歯の平均α波出現時間は、2分30秒であったのに対し、噛み合わせの調整ができていない入れ歯は40秒とほとんどα波が出ませんでした。

α波の出現は、脳血流量と一致するので、α波が多く出現したという事は、脳の血流が増加した事を意味します。

噛み合わせの調整ができた痛くない入れ歯を入れる事で脳血流量が増加するのに対し、噛み合わせの調整ができていない入れ歯を入れる事は、血流量を減少させます。

噛み合わせの調整ができた痛くない、快適な入れ歯を入れる事は、認知症の予防につながると考えられます。

裏を返せば、歯を抜いてそのままにしたり、たとえ入れ歯を入れていたとしても、痛くて噛めない入れ歯や機能していない入れ歯では、認知症予防にはならないという事です。

⑷神奈川歯科大学の認知症リスクと残っている歯との関係結果

歯がほとんどなく入れ歯を使用していない人は、歯が20本以上残ってよく噛めている人と比較して、認知症発症リスクは1.9倍に跳ね上がります。

よく噛んで食事ができる人に比較して、よく噛めない人の認知症発症リスクは、1.5倍と高くなっています。

よく噛める入れ歯を入れる事は、認知症予防になります。

⑸入れ歯は、認知症の発症リスクを抑制できる

歯を抜いてそのままにしていた人が、入れ歯を入れる事で認知症の発症リスクが、40%減少します。

以上のことから、噛み合わせの調整ができた入れ歯で、よく噛むことは認知症の予防につながります。

医療法人愛和会桜川歯科医院の吸着義歯や、審美義歯は、他医院ではできない技術で痛くなく楽しく食事ができる入れ歯です。

入れ歯で苦しんで、挙げ句の果ては、認知症を発症することが無いように注意しましょう。

一度しかいない人生、痛くなく快適に食事して人生を謳歌してみませんか!

ぜひ、一度、お試しください。

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