入れ歯の噛み合わせの調整が適正に取れていなかったり、噛み合わせがずれていると肩がこるだけでなく、腰痛、ひざ痛、認知症にもなります。
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質問です
入れ歯を入れてから肩こりがひどくなったような気がします。噛み合わせが良くないと歯医者さんに言ったのですが、慣れるからと言われて、もう3年が過ぎました。
肩こりも噛み合わせも、一向に良くなりません。入れ歯と肩こりって関係ありますか?
入れ歯と肩こりって関係あります
「入れ歯というより噛み合わせと肩こりは、関係があります。」と言うと、患者さんの天然歯を削る歯医者さんがいますが、天然歯を削る歯医者さんは、危険です。
一度、自分の天然歯を削られると元に戻すことができないからです。
肩こりと噛み合わせは関係あります。
特に、入れ歯の噛み合わせの高さや入れ歯の調整の良し悪しと肩こりは、関係あります。
噛み合わせの位置の収束率は80%
歯医者さんで噛み合わせの調整をする時、カチカチ噛んでもらいますよね。
そのカチカチ噛むことをタッピングと言います。
そのタッピングの収束率は、80%なのです。
※ 収束率 : 一点に集中して収まって行く割合
すなわち、10回噛むと2回は、ズレて噛むことを意味します。
人の体は、腱と筋肉でつなぎ合ています。
ですから、収束率が100%にならないことも理解できます。
ただし、この噛み合わせが、入れ歯の不適切な噛み合わせの調整や間違った噛み合わせの高さ、姿勢、歩き方、履物の影響で大きくズレるとした、驚きですよね。
不適切な入れ歯の噛み合わせの調整でズレが生じて肩こりになります
入れ歯の噛み合わせの調整は、とても大事です。
その噛み合わせの調整ができない歯医者さんがいます。
ただし、この噛み合わせの調整ができないとか、苦手だと思っている(自覚している)歯医者さんは、多分いません。
入れ歯の場合、調整が上手い歯医者さんと上手くない歯医者さんの見分け方は、噛み合わせの調整の上手い歯医者さんは、噛ませていい場所にきちんと噛ませています。
入れ歯の噛み合わせの調整が苦手な歯医者さんは、噛ませてはいけない場所を噛ませています。
だから、入れ歯が回転して、痛くて噛めない入れ歯ができるのです。
痛くて噛めないだけならまだいいのですが、入れ歯の噛み合わせのズレが第2頚椎の歯突起をずらして、椎骨動脈を圧迫し血流量を減少させ、認知症の原因になったり、胸鎖乳突筋、僧帽筋などの過緊張を促し、肩こりを誘発させます。
間違った入れ歯の噛み合わせの高さで首がズレて肩こりになります
噛み合わせの高さが、高かったり、低かったりした場合も、噛み合わせの調整が不適切な場合と同様です。
これは主に総入れ歯や歯の残っていないインプラント症例に多いです。
※噛み合わせの高さが悪いインプラントは、一生身体の不調が続くので、注意して下さい。
①噛み合わせが高い場合
噛み合わせが高い場合、口を閉じる筋(咀嚼筋)である内側翼突筋、咬筋、側頭筋、外側翼突筋が伸びたまま適正な場所まで収縮できないので、顎の位置がずれて、僧帽筋や胸鎖乳突筋などに過緊張を起こし首こり、肩こりを誘発します。
この首こり、肩こりもまた、第2頚椎の歯突起をずらして、椎骨動脈を圧迫し血流量を減少させ、認知症の原因になります。
②噛み合わせが低い場合
噛み合わせが低い場合、口を開ける筋(舌骨上筋群)である顎二腹筋、顎舌骨筋、オトガイ舌骨筋、茎突舌骨筋が伸びたまま適正な場所まで収縮できなく、口を閉じる筋(咀嚼筋)がたるみきって顎の位置がずれて、僧帽筋や胸鎖乳突筋などに過緊張を起こし、首こり、肩こりを誘発します。
この首こり、肩こりも噛み合わせが高い場合同様、第2頚椎の歯突起をずらして、椎骨動脈を圧迫し血流量を減少させ、認知症の原因になります。
姿勢が原因で噛み合わせがズレて肩こりになります
平成28年に発表した私(石川佳和)の論文に、
「姿勢が下顎位に及ぼす影響」があります。
現代人は、スマホやパソコンなどで、首のCカーブが崩れ、ストレートネックになり姿勢が悪くなっています。
このストレートネックは、噛み合わせがのバランスを崩し、顎関節症や肩こり、腰痛などを引き起こします。
そこで、顎関節症ストレッチや全身ストレッチを行い姿勢改善をしたところ、重心が正しい位置に落ち着き、噛み合わせも、正しい位置に戻ったという論文です。
噛み合わせの位置が正しい位置に戻ったということは、当然、肩こりも治りました。
このことから、姿勢と噛み合わせが筋肉バランスに影響し、肩こりにつながるの、日頃から、姿勢を正しく保つことが大事です。
歩き方と履物が影響して、噛み合わせがズレて肩こりになります
平成27年に私(石川佳和)が発表した、
「靴歩行が顎関節に及ぼす影響」という論文があります。
裸足、5本指シューズ(ビブラムファイブフィンガーズ)、スニーカーを履いて、健常人と顎関節症患者さんを対象に、時速4kmで10秒間歩行してもらい、左右8ヶ所の筋活動を筋電図にて測定しました。
その結果、裸足歩行は全身のバランスを修正し、整えます。
裸足に近い筋活動をするシューズは、5本指シューズでした。
5本指シューズもまた、全身のバランスを修正して整えてくれます。
スニーカーは、全身のバランスを崩して、顎関節症患者さんと近似した筋活動でした。
このことより、スニーカーや革靴を履いて歩くことは、全身のバランスを崩し、顎関節症や噛み合わせに影響を及ぼし、肩こりの原因になります。
全身のアンバランスは、膝、腰、肩、首、顎関節に歪むを起こし、噛み合わせのバランスを崩します。
その結果、第2頚椎の歯突起の位置をゆがめ、首こりや肩こりの原因になるだけでなく、認知症になる可能性があります。
医療法人愛和会桜川歯科医院では、細心の注意を払い、精密な治療を行っております。